朝3

教室に着くと教室には既に殆どのクラスメイトが揃っている。

入り口付近で雑談をしているクラスメイトたちと挨拶を交わしながら私は教室中央の列にある自分の席を目指す。

席に着くと後ろの席の男子に声をかけられる。

クリクリと可愛い目をした男の子だ。野球部に入っているらしく肌は黒く焼けている。

「おはよう!この間はありがとう」

何の事だろう?と考えていると付け加えて彼は言う。

「ほら、シャープペン!俺が筆箱忘れて困ってるとき貸してくれたでしょ?」

それを聞いて思い出す。

「ああ、なんかすごく困ってそうだったからいてもたってもいられなくって」

「ええ~そんなに俺焦ってた?うわなんかダセぇ…恥ずかしい」

落ち着かない様子の彼を見ているとかわいいな憎めないなと思った。

話しやすい彼が後ろの席でラッキーだったなと自らの幸運を確かめていると

担任が

「HRはじめるぞ~」

 と言いながら現われた。