中学の話

バカと悪戯

移動教室の帰り道廊下を歩いていると声をかけられる。 誰かと思えば小学校からの腐れ縁のバカだった。 バカとは随分と辛辣な物言いだと思われるかも知れないけれどこれは仕方のないことなのだ。 私が彼をそう認識するようになるまでの歴史はここでは語り尽く…

朝3

教室に着くと教室には既に殆どのクラスメイトが揃っている。 入り口付近で雑談をしているクラスメイトたちと挨拶を交わしながら私は教室中央の列にある自分の席を目指す。 席に着くと後ろの席の男子に声をかけられる。 クリクリと可愛い目をした男の子だ。野…

朝2

下駄箱に着くと靴を脱ぎ、背伸びをして靴を投げ入れる。 私の身長がほんの少しばかり足りないのもあるだろうけれど、この学校の下駄箱は不自然に高過ぎる。よりによって1番上の段になるとはツイてない。 上履きを取り出そうしたとき、ふっと影が頭上を通る…

やかましい目覚まし時計を乱暴に黙らせ目を覚ます。 ちょっと力んでパチりと目を見開くと天井の模様が見える。 果たして今日という1日を始めるべきか否か… まだ起きたくはないのだけれど時間に余裕もないし仕方がない。 カーテンを開けると薄暗い部屋がパッ…