無駄

社会人として働いて数年、己が社会との親和性の極めて低い人種であると自覚する。

変に小賢しいこの社会不適合者は理論武装を始める。

社会のろくでもなさを立証するために本を読み、納得のいく文章に出会っては満足感を得る。

人はその賢さを自分が正しいことを示してくれる言葉を探し当てることに浪費する。

己を傷付けた、適合できなかった、爪弾きにした社会はろくでもないものでなくてはならなかった。そう信じることで安らぎを求めた。

全部くだらない自己防衛だと本当は知っているというのに。