分数の足し算でみる習得への道
その問題を解くために必要な知識、技能は何か?因数分解をすることで進むべき道が見えてくる
今回は分数の足し算を解くまでの道のりを辿ってみよう
2/7+1/2=11/14
これをできるようになるために必要な材料を考える
先ず分母(下の数字)が揃っていないので揃える
揃えるとは言ってもどんな数字に揃えるのかを見つけてあげる必要がある
そこで必要になるのが2と7の最小公倍数を探す能力だ
そもそも2と7の最小公倍数とは何か?
2の倍数でもあり、7の倍数でもある数字の事を2と7の公倍数という
その中で最も小さい数字の事を最小公倍数という
さらに加えて注意するべきなのは倍数とは何か?ということである
例えば2の倍数とは2,4,6,8,10…といったような数字たちのことをいう
2=2×1、4=2×2、6=2×3
といったように2に1,2,3…と順にかけた数字を並べると2の倍数の仲間達を発見することができる
これで分母を揃える数字を探すための知識が揃った
実際に2と7の最小公倍数を探してみよう
コツとしては大きい方の数の倍数を書き並べてみることだ
今回は7の倍数を書いてみる
7、14、21、28…
この中から2の倍数でもある数字は14と28である(2で割ってあまりが出なければ2の倍数)
つまりこれらは2と7の公倍数であり1番小さいのは14なので最小公倍数は14
7の倍数を小さい順に書き並べていくうちに最初に2の倍数が出てきた時点で書き並べるのをやめてこれだ!と思ってもらえればいい
ということで分母は14で揃えよう!!
次に必要な知識としては分数の性質についてである
分数は分母と分子の比率が同じなら同じものとして扱う
例えば1/2も2/4も同じ大きさの数字だ
平たくいうと下と上に同じ数字をかけてもいいよということだ
2/7の分母を14にするには14÷7=2なので上と下に2をかければいい
2/7=2×2/7×2=4/14
1/2の分母を14にするには14÷2=7なので上下に7をかける
1/2=1×7/2×7=7/14
よって
2/7+1/2=4/14+7/14=(4+7)/14=11/14
分母が揃えばあとは上の数字を足したり引いたりするのだ
このように分数の足し算1つするのにも
倍数の知識、操作
分数の性質、等しい分数に書き直す操作
基本的な整数どうしの四則演算能力が求められる
(約分が必要な場合は約数についての知識、最小公約数の見つけ方
約分がこれ以上できるか否かの判断なども加えて求められる)
これらの材料をひとつひとつ揃えてあげることさえできれば
分数の足し算は習得可能なのである
問題の因数分解を行い
足りないのはどこか?どのSTEPで躓いているのかを確かめていくことで習得への道は開かれる
指導の際は初学者との対話の中から相手が今どこに躓き、どこまで理解できているのかを確かめながら進めていくのが望ましい