解と贈り物
二乗すると-1になる数字iを導入することで判別式Dが負の値を取ったとしても
二次方程式は2つの解をもつと言えるようになる
人間には誰しも何らかの才能があるという言葉を聞いたとき頭の中にふと二次方程式のこの話が浮かんだ
二次方程式=人間、解=才能と置き換えて空想する
人間には誰しも何らかの才能があるという命題が真であると仮定しよう
その命題が真であったとしても我々がこの言葉を聞いて想像するような人々が皆きらりと光るものを持ち活躍できる状況とは異なる場合も考えられるだろう
なぜならば我々が人の才能として想像するものは方程式で言う実数解だからだ
活躍できる望ましい才能=実数解なのである
だとすれば望ましくない才能=虚数解となる
民衆を魅了し操り過ちを犯すかつての偉大なる指導者もある意味では才能のある人物だったのだろう
そういう類いの才能をここでは虚数解と呼ぼう
人々を助けずに傷付ける虚ろな才能だ
では虚数解の他に考えられるパターン、才能を発揮した活躍が実世界で達成できないケースはあるだろうか?
例えばこんな場合はどうだろう?
ある競技のチャンピオンがタイムスリップしてその競技のない時代を生きたら?
同じように何かで世界一になって活躍できるのだろうか?
時代に恵まれず埋もれていく才能を定義域外の解と呼ぶ
横軸xを時間軸と考えて定義域をその人が生きる時代とする
たとえ放物線がx軸と交点を持とうともその交点が定義域外ならばその人間の生きた時代では光り輝くことは無い才能なのである
もしも受け取った贈り物が定義域外の解あるいは虚数解だった場合その人間はどうやって光り輝けるのだろう?